この本を書店で見付けた時には心の中で万歳三唱してました。一部の人の間では有名なこの話。事の発端は、平成二年の年、若手推理作家が十数人集まって四方山話に花を咲かせていた時に若竹七海さんが十年前に実際に体験した謎を持ち出したことに始まります。魅力的な謎だったので、翌年『鮎川哲也と十三の謎’91』で「鮎川哲也と五十円玉二十枚の謎」と言う小特集が組まれました。その時に締め切りに間に合ったのが、法月綸太郎氏と依井貴裕氏だけでした。しかし、その後反響が大きかったため一般公募をすることとなり、全部で三十六編の原稿が寄せられ優秀作品として六編が選出されました。そして、プロ作家からの四編と、若竹さんの問題編と法月氏・依井氏の作品を再録、プラスいちいひさし氏の4コママンガをあわせて競作特集「競作五十二円玉二十枚の謎」として平成四年に単行本化されたのです。それがやっと平成十二年の11月、やっと文庫化となりました。単行本化された当時、まだそれほど推理小説にハマっていなかった私は、その存在も知らず後になってかなり悔しい想いをしていました。が、やっと読めて嬉しかったです。
大学時代、書店でアルバイトををしていた若竹さん、その店に毎週土曜日になると「千円札と交換して下さい」と五十円玉二十枚を差し出す中年男が来ることをある日気づき、ミステリー好きの彼女は男の行動に疑問を持ち、様々な推理を展開します。何故、男は毎週五十円玉を千円札に両替するのか?何故、その五十円玉は毎週彼の手元にたまるのか?
この謎の正解は、中年男だけが知っているのです。そのため寄せられた解答は各人の個性が十二分に現れていて、こんな考えもあるんだな、と読んでみると面白いですよ。
ちなみに、2001年5月末まで原稿募集をしています。「五十円玉二十枚の謎」、貴方も挑戦してみてはいかがでしょう? |