| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2001/5/17 |
 |
『愛の続き』
著 者:イアン・マキューアン 出版社:新潮社
発行日:2000/11 本体価格:2,100円
|
追いつめられる恐怖を感じました。ストーカーが跋扈する世の中であるだけに・・・
ジョーはクラリッサとの幸せな共同生活を送っていました。ある日、ふとした弾みで人の死に立ち会う事になります、気球事故だったわけなんですがそこで通りすがった人と交わした視線が事件を起こします。彼の名前はパリー、なぜかジョーの視線を愛のものと受取り、それから執拗なまでの求愛が始まるのです。
追いつめられる恐怖と、人の死に立ち会ってしまった精神的な不安とでジョーは不安定になり、そんな彼の態度はまた、クラリッサにとっては狂気と映る。そして二人は次第に壊れていきます。パリーはつきまとうという行為の他に長い長い熱烈な恋文を寄こします。何通も・・それは極めて宗教がかっていて、ただでさえ無神論者(科学者のはしくれですから)のジョーにとってはさらなる恐怖を呼ぶわけです。
妄想の世界に生きるパリーをジョーはド・クレランボー症候群と分析し解決しようとするのですが、絡み合った糸の中にはクラリッサも巻き込まれ、終局に向かってきます。愛と妄想の入り交じった物語、くらくらします。こういうのがきちんとかみ砕いて自分で吸収出来るまでにはしばらく時間がかかるんでしょうね。
実は外国文学ってあんまり好きじゃないんです。何となく回りくどい気がして・・が、新潮クレストブックスが出たときは非常に衝撃を受けました。本当にステキな装丁で、凝った作り。活字までノーブルな雰囲気があります。こういうのを見てしまうと、中身はさておき手にとりたくなっちゃいますね。そして、読み始めればこれまた夢中になる名作の数々ですからたまりません。読み手の心に刺さるには、まずは本の作りですね。これも、ついつい鞄に忍ばせて持って歩きたくなるおしゃれな本です。 |
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|