最近(というか、多分『模倣犯』を読んで以来だと思うのですが)活字に対する疲れを感じてしまっていて、何となくスランプ気味でした。読むのにスランプも何もあったもんじゃないとは思いますが・・具体的にはミステリを読んでいると、ついつい結末を先に読んでしまったり、人生について悩んでしまいそうな文章をついつい飛ばしてしまったり、そんな感じ。
そんなときの強い味方になってくれる本が、こういうジュブナイル小説です。いつかはじっくり腰を据えていろいろなものを読み入ってみたいと思っているのですが、中でも太田忠司の本は結構好きで新刊が出ると必ず読んでいます。今回の本は新宿少年探偵団という少年少女が不気味な怪人たちと戦うというお話。わざわざ説明するほどでもないですが、あの江戸川乱歩の少年探偵団を彷彿させるお話です。小林少年は出てこないけど、怪しい怪人はいっぱいいるし、子どもとは思えない特殊能力の持ち主がわくわく感を盛り上げてくれます。
こういう突飛な(資金がどこから出てるかわからなかったり、怪しい黒幕がいっぱいいたり)設定って深く考えなくて読めるととっても面白いですね。大人向けのSF小説になるとしきりに理屈を考えてしまうので、単純に楽しめないんです。私のアタマが悪いだけかもしれませんが・・・
このシリーズは何作か出ていて、昨年は映画にもなりました(設定がずいぶん違っていたみたいだけど)。今回は思春期らしい子どもの気持ちのすれ違いや、迷い、自我の目覚めなんていうテーマがさりげなく描かれていて、少年たちの成長小説としても読めました。今自分の読書歴を思い返してみると、中学時代の読書体験の貧弱さを非常に後悔しています。ああいう感性の豊かな時期に読まないと、得られない感動ってあるんですよね。別に難しい本を読む必要はないけれど、活字を前にしてじっくりものを考える文化は継承していきたいものです。
楽天ブックスのジュブナイルコーナーは、いずれは中高生のための読書案内のコーナーみたいに発展していけば良いと思っているのですが(私の心の中では)、まだまだ道のりは遠そうです。 |