当時、小野さんの新刊が出ると耳にして、私は勝手にゴーストハントシリーズか、十二国記シリーズのどちらかの新刊だと思い込んで喜んでいたのですが、店頭に並んでいるこの『黒祠の島』を目にして、ちょっとがっかりした記憶があります。しかし、買って読んでみると期待に違わずやはり面白かったです.
内容としては、葛木志保と言う作家が、パートナーの式部剛(主人公)に、自宅の鍵と「3日後に戻る」と言う言葉を残して失踪する。式部は過去を切り捨てたような彼女の行方を探し出し、「夜叉島」という言葉に行き着く。その島は神領という地主を核にほとんどの家が分家にあたる閉鎖的な島だった。式部が志保を探
していると知ると、住民たちは非協力的な態度をとるようになる。そして、嵐の夜、神社の木に逆さに吊るされた全裸女性死体が発見された。式部は医者の泰田の力を借りて、殺人事件の真相を解明していく・・・
それにしても、旦那さんの綾辻行人さんと夫婦揃って、閉ざされた場所(ひとつの小さな村や山など)で起る殺人事件が好きですね。閉ざされた場所での主人公達の孤独に対する恐怖が、読んでいる側にもとても伝わってきます。自分が同じような状況に置かれたら・・・と思うと本当に怖いです。
内容の面白さもさることながら、私が小野さんが好きな理由は、彼女の文章力なのです。簡潔で読みやすい文章の書き方、私もあんな風に文章を書けるようになりたいものです。 |