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| 2001/4/24 |
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『模倣犯(下)』
著 者:宮部みゆき 出版社:小学館
発行日:2001/04 本体価格:1,900円
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疲れました。怒涛の三千五百枚、面白かったけど長かった・・・・
これだけの長編だと普通は休み休み読むのですが、面白いと続きが気になってページをめくる手をゆるめる事も出来やしない。困ったものです。結局代休をとった日の半日をこの本を読むためだけに費やしてしまいました。最後は400Pくらいをほぼノンストップで読み続け読了、目がしぱしぱします。面白いのも罪ですね。
上巻では死体が発見され、事件の全貌が明らかになる前に犯人の死亡が確認されます。しかし、どうやら真犯人は他にいる。そして、そいつは絶対快楽だけで人を殺している。この顔のない殺人犯は誰なんだ・・と謎が謎を呼び始めたところで下巻へと引き継がれます。
この物語の最大の特徴は多数の視点、でしょうか?
犯罪者・被害者・被害者の家族・昔の事件の被害者・拘留中の加害者の無罪を訴え続ける人間・警察・ジャーナリスト、事件に関わるすべての目が一つの事件を追っていきます。ものすごく皮肉に感じてしまったのが、書かれ方と我々読者の視点によって、その人に同情したり憎しみを持ったりという事が起こるのです。多分これだけの分量がなければこの人には憎しみしか持たなかったのかもしれない。そんな登場人物に同情すると同時に、ちょっとした皮肉を感じました。
真犯人の冷酷さと知能の高さには背筋が凍る思いが続きます。振り回される周囲に降りかかる悲劇、哀しみ。続けば続くほど読み手の怒りはつのっていくのですがなかなか敵もさるもの、しっぽを出しません。殺人を舞台になぞらえて楽しむ犯人は、さらに人の心をもてあそびます。一体動機は何なのか?そして犯人が仮面をかぶったまま舞台に登場してきたところから、いよいよクライマックスへと物語が動き始めます・・・
人間狩りの事件以外にも、周囲には色々な出来事が起こっているのですが、終幕に向かってそれらすべての糸が一本に収束を始めます。そして登場人物たちの疑いの目が真犯人に向けられて反撃が開始されるのです。この辺が一番ゾクゾク来るところでした。
とにかく厚さに負けない面白さを保証します。そして生きることに対する登場人物からのメッセージに涙して下さい。とにかく読んで!! |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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