ある日、目覚めたら子供のころの自分に戻っていたらどうしますか?子供のころに寝ていたベッド、起こしに来るのは若い頃の母、あたりまえのように学校に行こうと誘いに来る遠い記憶にある幼い友達の顔。
この作品の主人公、ジェフは43歳の秋に心臓発作で倒れ、気がついたときは大学の学生寮にいて、18歳の自分に戻っていました。どうしてそんなことになったのかわからないまま、同じ人生をリプレイするジェフ。
時は1960年代。2度目の人生ならではの知識を生かして、ケンタッキーダービーで大穴をあてたのをはじめ、当時誰も目をつけていなかった様々な企業に投資して、大金持ちになります。(カリフォルニアのガレージでパソコン作ってる2人組みに50万ドル投資して、奥さんに文句を言われたりします。)けれどそんな日々がいつまでも続くわけもなく・・・。
「リプレイ」はおもしろいといろんなところですすめられ、最近になってやっと読みました。ラストは賛否両論かなとは思いますが、これはたしかに「当たり」でした。こういうタイムトラベルものはドラえもんをはじめとてもポピュラーですが、のび太のようにドラえもんに泣きつけばもとの時代にもどれるというわけでもないのでことは深刻です。
この小説のおもしろさは「もし自分だったら」と感情移入がしやすいところにあります。状況がのみこめないときのとまどい、混乱。やがて理解できないながらも状況を受け入れ、逆手にとって勝ちつづけていく興奮、けれど常にどこかで感じている淋しさ、虚無感。もしあのとき、ああしていれば、こうしていればという後悔は誰の心にもあります。でも実際、何かの拍子に「あのとき」に戻っていたら、その後の人生はどんなものでしょうか。
私だったら小学1年生にもどって、分数の掛け算を解いたり、来るべきバブル経済を予告したりして「天才」ともてはやされたいです。3億円事件の犯人を先回りしてとっつかまえてお手柄児童になるのもいいかもしれません。
そういえば新しい教科書は円周率が3ってことになるそうじゃないですか。これからは頭が悪くてもいいんですね。いい時代になったものです。
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