| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2001/4/12 |
 |
『白夜行』
著 者:東野圭吾 出版社:集英社
発行日:1999/08 本体価格:1,900円
|
目の前にいる人が自分の読んだことのない本(それも涎が出るほど読みたい本)を持っているというのは、おあずけをくらってしまった犬の気持ちです。ましてやそれがゲラともなると、略奪してでも読みたい気分。白夜行発売前にはそんな事があったなぁと思い出しながら読みました。読みたがっていた割にはあれから2年くらい経っているんですが・・
ミステリの醍醐味はもしかしたら心地よい裏切りと、とびっきりの吃驚かなぁと思っています。もちろんしょっちゅうそういう至極の気分を味あわせて頂いているのですが、こういう訥々とした語り口の小説もまた良いものですね。しかしあまりに悲しく、胸の詰まる物語でした。
物語は一昔前の大阪から始まります。そこで起こった質屋殺しに絡む人々、この事件は迷宮入りとなるものの、捜査に当たった刑事の心にひっかかったのは関係者の2人の子供でした。暗い目をした男の子と、生まれ育ちに似合わぬ理知を備えた女の子。二人の成長を取り巻いて関係者の時間は流れていきます。
久しぶりに、読み進むにつれて心が冷えていくのを感じました。斜に構えている、という言葉では表しきれない心の闇を浴びてしまってなんとなく救われない気分になっています。幼年期のトラウマなんて簡単な言葉で言ってしまいますが、子どもの頃心に受けた傷はやっぱり癒すことは出来ないのでしょうか?
『秘密』もそうでしたが、これも物語のその後、裏側に気を揉ませられることの多い話でした。あんまりしゃべってしまって面白みが半減してしまうといけないので、これくらいでやめておきましょう。とにかく東野圭吾という人の入魂の一作だなぁと思わされる作品に仕上がっているはずです。 |
|
【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
|