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| 2001/3/9 |
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『人体絵本 めくってわかるからだのしくみ』
著 者:ジュリアーノ・フォルナーリ/加藤季子 出版社:ポプラ社
発行日:1997/04 本体価格:2,000円
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デザインの仕事をしていると、機能美というものにすごく敏感に反応してしまいます。普段使うパソコンまわりはもちろん、手元のマグカップ、水道の蛇口、通りを走る自動車やビルの内装など、性能と見た目の美しさが同じベクトルに向かっているものを発見すると、強く心惹かれます。
「人体絵本」は人間の体のさまざまな部分にめくれる仕掛けが施してあり、毛穴から大動脈の内側の壁面までどうなっているのか知ることが出来ます。本来子ども用に作られたものですが、少しも手を抜くことなく徹底したリアリズムを追及しているところに好感が持てます。おそらく編集会議などで、何もそこまでやることはないんじゃないか派とやるなら徹底したい派とですったもんだがあったんではないかと勝手に想像してしまいます。「冗談じゃないぜ、ジュリアーノ(著者)!きみの言う通りに作って一冊2000円(税別)に抑えられると思ってるのかい?」とか言い出す人がいたりして。
添えられた説明も、難しいことを噛み砕いたやさしい文章になっています。たとえばこんなかんじです。
<表情をつくる>
顔の筋肉は、いつもはたらいています。顔の筋肉が、顔の皮ふをうごかすと表情があらわれ、そのひとがなにをかんがえているのかがわかります。表情がないようにみえるときでも、顔の筋肉は表情がでないよう、じっとおなじ顔のままでいるようにはたらいているのです。
そうだったのか、無表情に見えるあの人も、実は無表情に見えるように筋肉ががんばっていたんだ!ということに気付かされるのです。
この本を隅々まで見ると、人間の体というのは究極の機能美だということがわかります。私たちの意思とは別の所で、私たちを構成している細胞は一生懸命生きようとしているのです。好奇心旺盛な子どものころからこの本に接していれば、ゲーム感覚で人を傷つけたり、殺したりなんていう事件はなくなるんではないでしょうか。(ただしあまりにリアルなので、感受性の強いお子さんだと、泣いちゃったり、悪い夢を見たり、へんなトラウマになったりすることもあるかもしれないので注意が必要です。) |
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【楽天ブックススタッフ 真】 |
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