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| 2001/3/13 |
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『放課後の音符』
著 者:山田詠美 出版社:新潮社
発行日:1989/10 本体価格:1,300円
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最近(というかいつも)金欠病なので、新しい本を買うお金のない私。でも、通勤時間の友として本は欠かせない活字中毒でもあるのです。そんな時、今までに買った本の中から気に入った本を持ち出して、何度も読み返すことが多いのですが、その読み返し本のラインナップにかなりの数含まれているのが、山田詠美の小説です。
山田詠美入門編ともいえるこの『放課後の音符』は、8編の恋愛小説が収められた連作集で、それぞれの作品の主人公はすべて女子高生。それぞれの経験を通して、少しずつ大人になっていく過程が描かれています。同じく高校生(こちらは男の子)を主人公とした『ぼくは勉強ができない』と併せて、何度も何度も読み返した、そして今後も読み返すであろう大好きな本です(なんせ、大学の卒業論文で渋る教授を押し切って取り上げた作品群なので、思い入れもひとしお)。
とはいえ、山田詠美というと、最初はどうしても「黒人男性と日本人女性の恋愛を描いた」小説のイメージがつきまとっていたので、そのイメージから読まず嫌いで全く手に取らずにいました。ところがある日古本屋で『放課後の音符』を見つけて、その装丁の可愛さに(古本屋だから安いし)ちょっと買ってみたら、まんまとはまってしまったのです。
私が特に好きなのは、「Body Cocktail」という作品です。クラスに1人は居る、ちょっと大人びていて群れない少女。いつもシンプルな服を身にまとい、クラスの子の冗談にも微笑むだけで、同年代の男子にはその良さがわからないけれど、実はすごく大人の恋人がいる、カナ。そんな彼女の良さに自分だけは気づいていると思う主人公は、高校生の頃の精一杯背伸びしたいのに出来ない自分と重なって、切ない気持ちを思い出させてくれます。
この作品に「主人公の友達」として登場するのは、みんなそういう不思議な魅力を持った人、その場の雰囲気に迎合しない自分を持っている人(最終的に、主人公もそういう女性となっていくわけですが…)。そういう人には今でもずっと憧れています。いつか自分もそうなれたら良いのですが。 |
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