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| 2001/2/26 |
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『絵本を抱えて 部屋のすみへ』
著 者:江國香織 出版社:新潮社
発行日:1997/06 本体価格:1,500円
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「寝ながら本を読むと目が悪くなるんだからね」と言う親の忠告も聞かず、布団にもぐっての読書を最高の贅沢と考えていた私の視力は高校生活の中盤から悪くなる一方です。(原因の半分はファミコンだったと思うけど)で、特に具合が悪い時の読書は視力減退を加速させるんだそうで(さらに悪いのが電車内読書。微妙な揺れがいけないらしい)風邪ひいたときなどには読書は厳禁なんだそうです。とは言っても、寝込んだ心の寂しさを癒してくれるのは本ばかり。布団から起きあがり目の前にあったのが『ボーン・コレクター』と、これ。癒しを求めてこちらの方を手に取りました。
江國さんの小説に出会ったのは割と遅くて、実は『神様のボート』が初めてでした。その初体験がツボにはまり、それ以来江國作品を読み漁る日々が続いています。まだ道のりは半分くらい(このくらいが一番面白い時期ですね)この本も江國さんらしいふわふわ感がたまらないエッセイでした。内容は江國さんが有名な絵本シリーズ・作家に寄せるエッセイのようになっています。センダックとかビアトリクスポターとか、はたまた「がまくんとかえるくん」シリーズとか「あ!これ知ってる」という絵本が並びます。書評のようで、書評臭くならないのは多分江國さんがこの絵本たちに育てられてきたからなのかなぁと感じました。どうしてこの本が好きなのか?いつ出会って、どう感じたのか。という点については共感できるところいっぱいです。同じ事を感じていてもそれを表現に結びつけて作家になるというのはまた大変な才能がいることなんでしょうね。
「愛しているものや美しいもの、ずっととっておきたいくらい大切なもののいちばんいい保存方法は物語にすることだ、…」と江國さんは書いています。“ものを書く”という事をこういった文章で表現できる事がまず凄い事なのですが、この言葉が相当心に響いています。とかく所有・独占という方法に走ってしまいそうな大切なものをこういった形で文学的に保存できたら素敵な人生が送れるんだろうに。と自分の俗物性についてしみじみと感じさせられてしまった一作でした。
とにかく絵本ガイドとしても秀逸。読者の目線で子どもの頃の感性も含めて書いてありますから。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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