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| 2001/2/16 |
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『キメラの繭』
著 者:高野裕美子 出版社:光文社
発行日:2000/11 本体価格:1,700円
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私の友人で「鳥が怖い」と公園を通りたがらない子がいました。彼女は鳩が怖かったらしいのですが、この本も鳩に子どもが襲われるところから始まります。鳩の大量死、そして主人公の弟の不可解なアレルギーショック死。衝撃的な事件は続き、世間では鳥ペストと呼ばれるインフルエンザの流行、さらにさらに、カラスが人を襲い始めるという流れで時間が流れていきます。主人公の立科涼子は大学の研究所の助手。弟を原因不明のアレルギーショックで亡くし、そのことから事件に首を突っ込み始めます。図書館で出会った保険調査員と調査を進めるうちに、巨大バイオ企業「ゾディアック社」の関わりを疑い始めますが、警告的な行為もあったりしてなかか事実解明は進みません。
遺伝子治療/遺伝子組み替えという言葉がニュースをにぎわせますが、大きな富をもたらす一方で大変なものを生み出しているのかもしれない(キメラの繭という表題はそこからついたようです)と、日々の食事がちょっと怖くなりました。こういう小説を読んではじめて危機感をおぼえる事自体が脳天気ではありますね。あと、怖かったのがカラスが人を襲うシーン。凶暴性を増したカラスは見境なく人を襲うのですが、実際にあの嘴でつつかれたら大怪我するでしょうね。
ちょうど、インフルエンザがはやりだしてもおかしくない時期だけに妙に臨場感がありました。繭の中から生まれたキメラの正体は何だったのか?主人公の弟はなぜ死ななくてはならなかったのか?謎が謎を呼びクライマックスへと向かいます。しゃべってしまいたいことはいっぱいあるのですが、ミステリーだけにネタばれになっちゃいそうなのでここまで。こういうテーマって似たものも多いですね、印象的だったものとしては『紫の悪魔』なんかがそうでした、これも不気味ですよー |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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