楽天ブックスの出資会社の日販で、月に一度『新刊展望』という読書情報誌を出しているのですが、その中のコーナーに“著者とその本”というものがあります。その名の通り著者が自分の新作を語るコーナーになっていて、2月号がたまたま『ライオンハート』恩田陸さん。という回でした。先月私もこの本を読んでいたので余計興味深かったのですが、恩田さんのコメントで「好きな作品でもあるロバート・ネイサンの『ジェニーの肖像』。売れない画家と、時間を超えて成長していく少女との、愛と別れを描いている…」というくだりがありました。時も時、時間を超えた恋愛ものにハマッテシマッタ時でしたので、さっそく購入(こういうときネット書店は便利ですね)手元に160ページくらいの薄い文庫本が届きました。表紙は女の子の肖像、とっても素敵です。
売れない画家イーベンは芸術的な飢えに苦しみながら、売れなかった絵を抱えて公園を歩いるときにジェニーという不思議な少女に出会います。ジェニーはちょっと時代遅れのスタイルで、どことなくかわった女の子なのですが彼はジェニーの瑞々しさに興味を示します。「私が大きくなるまで、あなたが待ってくれますように…」という告白を残して去って行ったジェニーのスケッチをした日からイーベンにツキが訪れます。そしてジェニーは時々予告なしに彼の前に訪れるのです。異常な早さで成長しながら…
流れる時の割にはページが少ないので、あまりくどくどした文章はありません。それがより恋のはかなさを演出している気がします。ジェニーは嵐のように(そんな大げさなイメージでもないので、そよ風のように。くらいが適当な言葉かな?)やってきて、気がつくと去って行ってしまいます。彼女もイーベンも別れを望んでいるわけではないため、会える時間の一瞬一瞬を一生懸命過ごそうとする姿が印象的でした。私たちが明日と呼んでいるモノは実はとっても不確実なモノなのです。まぁでも恋愛小説としてよりファンタジーとしてとらえた方がいいのかなぁ…非常に幻想的な空気を感じる小説でした。ジェニーをどう描くかが勝負でしょうが、映像にして見てみたいと思える小説でした。
今日はちょうどバレンタインデー。みなさんに素敵な恋がおとずれますように!! |