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| 2001/2/1 |
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『メイン・ディッシュ』
著 者:北森鴻 出版社:集英社
発行日:1999/03 本体価格:1,700円
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【知】さんの昨日の読書日記に触発されて、私も北森鴻を…北森作品に会ったのは、『狐罠』が初めてでした。これがまた骨太の良い作品。骨董業界を描いてあるのですが、よく研究されているというかのめり込んでいるというか、いや、いいもの読んだなぁと思ったわけです。そうなると出る本出る本読みたくなるのが本読みの習性、読みあさる中での一番のお気に入りがこの本。ライトタッチなんですが、ものすごく後を引くんです。何が尾を引くのかというと、昨日の【知】さんの日記にもあったように、お料理、なんですね。
内容は連作ミステリー。アペリティフ/ストレンジテイスト/アリバイレシピ/キッチンマジック/バッドテイストトレイン/マイオールドビターズ/バレンタインチャーハン/ボトル“ダミー”/サプライジングエッグ/メインディッシュ タイトル名を聞いただけでちょっとおなかが鳴ってきそうです。「紅神楽」という劇団を主催するユリエのところに、ミケさんと名乗る(名付けられた?)男の人が転がり込んでくるのですが、この人プロ顔負けの料理の腕。この二人を取り巻きながらいろいろな事件が起こります。 それをミケさんと座付き作家の小杉さんが解いていくというのが流れです。とにかくことあるごとにお料理が出現。500円で作るカレーはなぜおいしかったのか?とか梅酒の作り方だとか(へたをとって、傷つけないようにやさしく洗ってあげないとおいしい梅酒は出来ないんだそうだ)、描写がもうリアルでリアルで・・おなかをすかせて読んだら涎が止まりません。読んでいるウチに玉ねぎが飴色になって、カレーの香りが漂ってきてともう臨場感バッチリ。これはちょっとした料理本ですよ。
ミステリーとしては日常の謎系なので、びっくりするような仕掛けは感じませんでしたが、ちょっと切なさが漂ったり、笑いもあったりととっても楽しめました。まさしくおなかいっぱい。いや、凄いなぁと思っていたら、北森さんは調理師免許を持っているのだそうです。なるほど納得です。続編を期待してます。
ちなみに、私のこころに残る「食べ物が忘れられない小説・エッセイ」は『ああ言えば こう食う』宮部みゆきの『初ものがたり』となっています。本を読む早さは特技なんですが、内容の忘れかたも酷い私、それなのに食べ物が出てきて美味しそうだとそこだけは覚えているんです。これってやっぱり食い意地がはっているって事?いつか「おいしい小説特集」をやりたいなぁと思っています。ご期待下さい。 |
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