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| 2001/12/12 |
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『サイファイ・ムーン』
著 者:梅原克文 出版社:集英社
発行日:2001/09 本体価格:1,600円
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オカルトとひとくくりに言ってはいけないのでしょうが、超常現象が起こる小説は見逃して通れません。梅原克文さんの作品で読んだものは『カムナビ』1作です。ですが、これが結構面白かったので(本当のエンターテイメントだと思ったりもして)久しぶりの新刊も楽しみに読ませていただきました。
冒頭に起こるのはあるトップアスリートの自殺事件です。オリンピックの金メダルも有力視されていた佐古の死と、その親族の奇妙な振る舞いに疑問を思ったコーチの土井が周囲を調べまわって出てきたのが“冬人夏草”という怪しげな漢方薬の袋。さらには妙な体毛も見つかったりして一体これはなんなのか!という謎が深まっていきます。結局はこの薬は獣人を生み出すという奇妙な効果を持っていて、これによって佐古は驚異的なパワーを見せていたという事がわかってくるのです(漢方薬だからドーピング検査もパスできる)。
この獣人たちは普通に暮らしているのですが月夜の晩に獣化します。これと同様に、死者と話せる力を持った人とか人を凶暴化させる怪しげな蝶が見えてしまう人とか、そんな異能者が集うのがこの本です。(おまけのように、あるホルモンを与えて天才になった猿の話「アルジャーノンに菊の花を」も併録)どちらかというと結論を出すより、世界観の提示に終わっているような気もしましたが、それなりに楽しめました。今後この世界で強大な敵と戦っていって欲しいですね(これこそありがちですが)
それより何より著者の梅原さんは“サイファイ”というジャンルを提唱しているということです。SFに至らない娯楽作品を指すようなのですが、今後はサイファイ作家を自称していくとのこと。そうなったら楽天ブックス的にも応援したいのですが、ただ一人しかいないジャンルはちょっと作れなそうです。早く仲間を増やして下さい。ジャンルはともかく面白いものはどんどん読んでいきたいだと個人的には思っています。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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