| <<前日の日記へ | 翌日の日記へ>> |
| 2001/10/10 |
 |
『回路』
著 者:黒沢清 出版社:徳間書店
発行日:2001/01 本体価格:1,600円
|
先に映画を観てから原作を読む習慣のある私ですが、これは映画ありきで小説化したものなので、大変すんなり頭の中に入ってまいりました。いつもなら、「映画とちがーう」などと原作の方に文句をつけたりする理不尽極まりない人間なので。
さて、これはホラーはホラーなのですが、哲学的というか、倫理的というか、とにかく「この世の存在」について考えさせられるお話なのです。「人は死んだらどこへ行くのか、あの世が魂で溢れてしまったらどうなるのか?」いかにも非現実的な世界ですが、それが回路とかインターネットとかいう、妙にリアルなものに関係していると、ひとごとではないように思えて、とても身近でぞっとしました。
たいていのホラーは、お屋敷とかお墓とか、いかにも古臭い舞台が多いじゃないですか(そんなことはないと、今どこかで聞こえたような気が)。でもこれは現代ホラーで、むしろ未来ホラーなのですよ。このお話の結末を見て、これから自分も同じ体験をするのではないかと不安になる人も多いでしょう。
映画では、飛び降り自殺シーンや、「貞子!?」なーんて思うようなシーンがあって目を覆いましたが、小説ではそんなわけにもいかず、薄目をあけて読んだりして。はたから見たらそんな私が一番不気味だったはず。
いや、だってね、ネットサーフィン中に、見てはいけないだろうページに接続されてしまって、そこには不気味な人影があって、そんな私に気づいてこっちを振り向いてニヤリ、ですよ!こわっ!!これじゃぁこわくてひとりで残業なんてできないわー、なんて思いながらも、今日も黙々と夜更けに仕事に励む、私であります。
とにかく、「世界の黒沢」は、映像はもちろん素敵だけど、文字にしてもイケル!ということなのです。 |
|
【楽天ブックススタッフ 亜】 |
|