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| 2001/1/22 |
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『リセット』
著 者:北村薫 出版社:新潮社
発行日:2001/01 本体価格:1,800円
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この日をどれだけ待ち焦がれたことでしょう!ようやくこの本が刊行されました。 「とにかく人より先に欲しい!」と、ひたすら手に入れたものの今度はもったいなくてページをめくれない。なんて思いながらも手に取ったその日に読了。大満足だけど、ちょっともの寂しさがよぎったりします。この『リセット』は『スキップ』
『ターン』に続く‘時と人’シリーズの三作目になります。てっきり三部作だと思っていただけに、三作目という表現を見て感激。まだ、完結しないことを祈ります。
17才の心を持ったまま気づくと42才にスキップしていた真理子。交通事故に遭ったショックで一日前に戻り、時の環の中をターンし続ける真希。さて、今回はどんな時に向かいあったのかと言うと・・
戦火の中を生き抜いた真澄。(主人公はみんな真○さんなんだと今気づく)まだ平和だった頃彼女の心を動かす出会いがありました。もちろんその頃はまだ小さな子供だったのですが、彼女はその思いを忘れずにいます。それが修一。戦火に引き裂かれた二人ですが、彼女の一途な想いは時を超えて彼の元に届きます・・
とにかく小道具・大道具(という表現が正しいのかわかりませんが)がイカしています。獅子座流星群。数々の本。フライ返し(?)さりげなく登場してきたものが糸と糸のように紡ぎあって物語を作っていっていました。そして舞台です。戦火の中という重苦しい舞台を選んだにもかかわらず決して暗くないのです。もちろん死にも直面しますし、ひもじい生活もやってくるのですが、生きることにまっすぐな真澄の姿勢に心が動きます。
これは『少年H』(北村さんも参考文献としてあげています)を読んだ時にも感じた事ですが、辛い時代の中でも本当に明るく生きているんですね。もしかしたらそれが生命力ということなのかもしれません。そんな話ですが読み進んでいく中で、何度も
涙で目を曇らせてしまいました。北村さんの本を読むときいつも感じるのは、悲しいのではない・可哀想なのでもない 所、なのに涙が止まらなくなっちゃうのはなんなんでしょうね?それもたった一つのせりふとか、背景描写で泣けてしまう。
こんな時「ことばのちから」というものを感じるのです。想いはきっとかなう。そんなクサイせりふを信じてみたくなる本でした。しばらくこの幸せ感に浸れそうです。 |
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【楽天ブックススタッフ 瑞】 |
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